2018年11月23日4 分

リカバリーは修理に似ている

最終更新: 2020年5月26日

根菜ヘッドは観葉植物として楽しめるよ。

◆ダーニング、コンポスト、食べ蒔き

この1~2年のあいだ、私の中で「修理」への関心が高まっています。

「金継ぎ」(挫折したけど)に始まり、次に「ダーニング」に手を出しました。

ダーニングというのは、ほつれたり破れたりした衣類をカラフルな糸でつくろうことです。

トレーナー、Tシャツときて、トランクスやスニーカーもつくろいました。お裁縫は小学生のとき以来です。

これはまたすぐ破けた。

これはお気に入り。

ダーニングの他にも、ギターを拾ってくるのが好きです(福祉施設には不要なアコギが転がっていることが多い)。

磨いて弦を張っただけだけど。

また、おうちの中の壊れたものや傷んだ箇所を直したりするようになりました。

お風呂場の床をシリコン剤でシールしたり。

カーテンレールが外れたときはネジ穴をいちどパテで埋めて設置し直したり。

トイレの壁紙の接着が甘いところをピタッと接着したり。

エコバックが破れたときはアロンアルファと養生テープで補強しました(私の「修繕」は基本的にアロンアルファです^^;)。

タオルのパイルがほつれたのを見つけて、それ以上ほどけないように結んで、余った糸をハサミで切るのも好きです。

「修理」とはちょっと異なりますが、今年はついに「段ボールコンポスト」も成功させました。

「段ボールコンポスト」は段ボールを使った生ゴミ堆肥化法です。賃貸住宅でもできます。

通常は「ピートモス」や「くん炭」などの「基材」に、家庭で出た生ゴミを混ぜて発酵させます。

私は使い終わったプランターの古い土の処理方法に困っていたので、それをコンポストの基材として活用してみました。

「プランター→堆肥の基材→堆肥→プランター」という無限ループを作ることもねらいの一つです。

さらに、「食べ蒔き」もやってみました。

「食べ蒔き」は、家庭で調理した野菜や果物の種を捨てずに蒔いてみることです。アボカドの種を発芽させるのが人気ですね。

初代は根腐れさせてしまい、これは2代目です。

私はアボカドの他に、夏みかんやレモン、ミニトマトにも挑戦してみました。夏みかんとレモンは簡単に発芽しましたが、世話を怠り枯らしてしまいました。

ミニトマトは実1個分の種を蒔いて、元気な苗が数本できました。

右側手前のプランターがミニトマト。

ミニトマトの奥にある2つの鉢はパイナップルの頭です。食べ「蒔き」ではないのですが、水栽培で発根させて植え付けました(ちょっと元気がないです)。

左側にたくさんある苗ポットには今日、りんご、ぶどう、すももの種を植えました。事前に2ヶ月ほど冷蔵庫で「越冬」させておいたものです。

どうなることやら楽しみです

この土の25%は、我が家の生ゴミで作った堆肥です。

◆修理はリカバリーと似ている

私が修理にはまったのは、壊れかかった物たちに自分を投影していたからだと思います。

まだ使える。

手入れして直して然るべきところにおいて使えば、まだまだ価値を発揮できる。

自分のことを、そんな風に思いたかったのです。きっと。

修理はリカバリーに似ています。単に壊れる前の状態に戻すわけではないからです。

「金継ぎ」や「ダーニング」を施された器や衣類は、壊れる前とは異なるものになります。

以前より価値のある、唯一の存在に。

私は修理の過程を経て、その物に一層の愛おしさを覚えます。

「リカバリー」と言うとき、「病気をする前の自分に戻ること」を指しませんよね。

私たちは、病気をする前よりしなやかに、したたかに、そしてチャーミングになりますよね。

味が出たり、深みが出たり。

だから、「リカバリー」とは自分を金接ぎしたりダーニングしたりすることだと、私は思っています。

「食べ蒔き」や堆肥づくりも同じです。

ふつうなら捨てられてしまうものにも、まだ秘められているポテンシャル(芽吹く可能性)があります。それを発揮させてあげるのです。

「食べ蒔き」をすると、同じ野菜や果物ができなくとも、我が家には多種多様な観葉植物がもたらされます。

さらに、私には植物の世話や観察といったホビーができますし、それは園芸療法のように私を癒やしてくれます。

使えない、価値がない、とゴミになるはずだったものが、私に観葉植物と趣味と癒やしをくれるのです。

人間にも同じことってないでしょうか。

私たちは時に、人間の価値すら「生産性」とかで測ってしまうことがありますけれど。

◆おわりに

私はいま「相談室おうち」というプロジェクトをやっていますが、はじめは「修理カフェ」「リカバリーカフェ」をやりたい、と言っていたんです。

海外には「リペア(修理)カフェ」というイベントがあるらしく、いいなあと思っていました。

そして、しだいに、物だけでなく人間(自分自身)も修理される(=リカバリーする)ような場所に身を置きたいなあ、と願うようになりました。

「おうち」の機能って本来それなのでは、と思っています。

誰か、一緒にやりましょう。

私がいま来ているユニクロのパーカ、10年前に買ったものです。

先日、富山に紅葉を見に行ったときに宿でダーニングしました。

かわいくなったこの子とまたしばらく一緒にいられそうで嬉しいです。

*****

今日も読んでいただいてありがとうございます。

明日も楽しいことうれしいこといっぱいあるといいですね!

関連記事:minä(ミーナ)になる

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