竹内 冬彦
2016年夏、フィンランドにて(※私は左です)
ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)
ODNJP オープンダイアローグトレーニング基礎コース 2期生
DPI Anticipation Dialogue ファシリテーター養成研修 2期生
1980年北海道生まれ 名古屋大学文学部卒(西洋哲学)
◆メッセージ
はじめまして!オープンダイアローグ夫婦の夫の方です。ふゆひこと呼んでください。
「オープンダイアローグ」というのは、わたし流に表現すると、フィンランド式の人間関係コンサルテーションであり、問題解決法です。哲学と言ってもいいかもしれません。
私たちは、いまは世界最小のオープンダイアローグ実施チームをやっていますが、夫婦とも15年目の精神保健福祉士です。もとは精神科の医療機関や市町村の相談センター(障害者、子ども・若者)、「ひきこもり」の家族会などで働いていました。
振り返ると、私は「うまくいっていない関係を調整する」ということを、ずっとやってきたような気がします。
最初の ”担当ケース” は子ども時代、相手は自分の父と母だったかもしれません。
2006年に精神保健福祉士になってからは、いわゆる当事者さんとご家族との関係を調整してきました。
また、患者さんとお医者さんとの間に入らなければならないことも多々ありました。
そんな私にとって不思議だったのは、これまで調整してきた「うまくいっていない人間関係」は、たいてい、憎み合ってもいなければ邪魔し合ってもいなかった、ということです。
片方ずつお話を聴くと、相手のことを真剣に思っている。愛しているし、力になりたいと願っている。
でも、当人どうしで話し合うと、どうしてもうまくいかない。
そんなことが続くうち、互いに嫌い合っているかのように誤解してしまい、そのまま時が過ぎている。そんな関係性がほとんどでした。
そのような「関係」に出会うたびに私がしたことといえば、片方ずつ聴かせてもらった「相手を想う素直な気持ち」を、もう片方の人の耳にそのまま入るようにすることでした。
そうすると、相手は「え、そうだったの?」「そんなことを考えてたんだね」となり、そこから、これまでとはまったく異なる展開が開けるのです。
疎遠だった家族が再び交流を始めたり、「退院は無理」と言われていた患者さんがあっさり退院したりしました。
私には、それを「仲直り」と呼ぶのがはばかられるような気さえします。そこには、そもそも憎しみなどなかったのですから。
「オープンダイアローグ」は、私が精神保健福祉士として飛び回ってやっていた「相手のホントの気持ちを、もう片方に届けて、無用な争いを解消する」ということを、一堂に会したその場所で、一気に起こせる方法だと感じます(もちろん、回数はかかりますが)。「すれ違い終わらせ屋」と名乗ろうかと思うくらい。
実は私自身もまた、過去の傷つきからくる怒りや悲しみをコントロールし、受け容れるため、さまざまなセラピーやメソッドに取り組んできました。
しかし、振り返ると「子どものころにオープンダイアローグをやれていたら早かったなあ…」と思わざるを得ません。それが叶っていれば、今ごろこの仕事をしていなかったかもしれないと思うほどです。
だって、本当にしたかったのは、ネガティブな感情を処理することそのものではなくて、仲直りや、愛する相手と仲良く暮らすことなのですから。
子どもの私がほしかったフィンランドからの贈り物、サンタさんにお願いするべきだった、オープンダイアローグ。
いま医療福祉の世界で普及が進められていますが、病気や障害があってもなくても、親子や夫婦などの関係を修復したり、さらに素晴らしいものにしたりするために、ぜひ使っていただきたいなと思います。
私はそのために、今日も"ダイアロジカル生活"の研究をしています。
◆趣味・特技
将棋を観ること/ダイアローグの研修に出かけること/家事
◆好きな言葉
「あったかいふとんでぐっすりねる!こんな楽しいことがほかにあるか。」(野比のび太)
◆主な保有資格等(2018年7月1日現在)
-
精神保健福祉士(2006~)
-
精神保健福祉士実習指導者講習修了
-
障害者相談支援専門員
-
障害者職場適応援助者(ジョブコーチ)
-
サービス管理責任者(就労・地域生活)
-
障害支援区分認定調査員
-
介護職員初任者研修修了
-
介護支援専門員実務研修受講試験合格
-
IELTSアカデミック6.5