ひきこもり状態の方の親御さんに「対話」をお勧めする2つの理由

最終更新: 5月26日



黒部峡谷、欅平にて(2018年11月)

こんにちは、ふゆひこです。久しぶりに「ひきこもり」について書いてみます。


私は、ひきこもり状態にあるお子さんをお持ちの親御さんに、ぜひ「対話」「ダイアローグ」を学んで、実践してほしいと思っています。


私自身が「対話」を意識した生活を送るようになり、そう思うようになりました。今回はその2つの理由について書きます。


なお今回の記事は、ひきこもり状態にある方のうち「原因としての疾患や障害が見当たらないタイプ」 を想定して書いています。



お子さんのために


ひきこもり状態にあるお子さんをお持ちの親御さんに私が「対話」をお勧めする第一の理由は、そのものズバリ、お子さんの回復に役立つからです。


このブログでは繰り返し書いていることですが、「ひきこもり」は自分自身=「わたし」を守るための止むに止まれぬ行動です。


お子さんは、他者とのコミュニケーションの中で「わたし」を否定されたと感じています。

もうこれ以上の否定には耐えられない、と思っています。


(少ない回数で強く否定されたか、小さく何回も否定されたかは様々です。ちなみに、「わたし」を否定したのは「ふつう」「常識」「世間」です。)


ですから、ひきこもり状態にあるお子さんとの間では特に、安全なコミュニケーションを保障してあげることが重要です。


「安全なコミュニケーション」とは、ありのままのお子さん自身が否定されないコミュニケーションのことです。


そう、それが「対話」です。


自宅にひきこもっているお子さんにとって、同居の親御さんは事実上、唯一のコミュニケーション相手です。


これは非常にプレッシャーのかかることです。


同時に、チャンスでもあります。


機会は少ないかもしれませんが、一回一回の接触を通じて、親御さんは、「コミュニケーションは安心なんだ」「『わたし』は否定されない、オッケーなんだ」というメッセージをお子さんに伝えるチャンスを握っているのです。


(関連記事:家族のためのひきこもり講座① お子さんがひきこもり状態になった直後の対応


(関連記事:家族のためのひきこもり講座③ ひきこもりの「段階」を把握しよう(後編)) 


残念ながら、支援者の介入によってご家庭に「対話」をもたらす「オープンダイアローグ」の普及には、まだまだ時間がかかりそうな状況です。


ひきこもりからの回復に関して最も重要な鍵を握っているのは、親御さんが支援者なしに「対話」をできるかどうかだと、私は思います。



親御さん自身のために


対話」とは、相手を否定せずに行うコミュニケーションです。


実は、私たちがふだん何気なく行う「会話(≠対話)」には、相手を否定する要素がたくさん含まれています。批評、ダメ出し、我田引水、求められていない助言などなど…。


相手をつい否定してしまうのは、私たちが往々にして自分自身のことも否定しているからです。自分に厳しい人は他人にも厳しいですよね。


ですから、相手がその人自身=「わたし」でいることにOKを出すには、私たち自身もまた自分自身=「わたし」でいることにOKを与えていることが必要です。


だから、お子さんのために「対話」を学び、練習し実践することは、そのまま親御さん自身の自信や元気を回復させることを意味します。


これが、私がひきこもりの親御さんに「対話」をお勧めする第二の理由です。


自分にOKを出せるようになると、元気が出てきます。たとえ子どもがひきこもり状態にあっても、そのことで親御さんがご自身を責めることが少なくなります。


そして、その変化はお子さんにも伝わります。


お子さんは、「対話」を通じて親御さんから肯定されます。


同時に、「対話的」に生きる親御さんの背中からもまた、「わたし」を自分自身で肯定することを学ぶことができます。


「対話」を実践すると、そのような好循環が生まれるのです。



みんなで元気になろう


私は、「子どものひきこもりを何とかしたい」といらっしゃる親御さんが、ご自身のためにも「対話」に取り組まれることを切に願っています。


親御さんはみなさん一生懸命です。お子さんの将来を案じ、幸福を願っています。


しかし、一生懸命なあまり、悲しそうだったり苦しそうだったりする親御さんも多いです。


そんな親御さんを見ると、お子さんは自分を責めてしまいます。


お父さんお母さんをこんなに苦しめているのは自分なんだ、と(そして回復が遅れます)。


お子さんが自分を責めてしまうのは、そう、親御さんの幸福を願っているからです。


私は、想い合う親子には、みんなで元気になってほしいなあと思います。





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