「友だちを作ること」は、たぶん人類の大多数が自然に身に着け、実践していることだと思います。
また、その方法についても星の数ほどある自己啓発本などで既に書きつくされていることでしょう。
それでも、「ひきこもり系アダルトチルドレン」な私にとっては世紀の大発見というか、個人的に「腑に落ちた」感があったので、ここに記します。どこかの誰かの役に立つとうれしいです。
友だちは、作ってはいけない。
「いきなり何を言ってるんだ」と思われるかもしれませんが、友だちはたぶん作ってはいけません。
友だちは、作ろうとすると、かえってできづらいようです。
友だちは「作る」のではなくて、「できる」という表現が精確な気がします。
よって、重要なのは、友だちができやすい条件を満たしていくことです。
自分が見つけるのではなく相手に見つけてもらう
インターネット検索に喩えるとわかりやすいかもしれません。
まず発想の転換が必要になります。「誰かいい人いないかな」と検索するのは、私(こちら)ではなく、相手(あちら)なのです。
友だちを「作る」という考え方は、私(こちら)が周囲を検索するという考え方です。
このとき、「こちら」から「あちら」のことは分かりますが、「あちら」からは「こちら」のことは分かりません。
つまり、私が「あの人と友だちになりたい」と思っても、相手からすると「お前誰やねん」ということになります。
誰かわからない人と友だちになりたい人はいませんよね。
もちろん、そこで自分を売り込む営業努力をしてもよいのですが、私はそれが大の苦手です。「売り込むほどの価値が自分にはあるのだろうか…」などと考えてしまいます。
そこで、発想の転換です。相手に私を発見してもらえばよいのです。相手から「こちら」へアクセスしてもらえるようにすればいいのです。
検索してもらって、「こちら」のことを「いいな」と思ってくれた人にだけ、自分にアクセスしてもらえればよいのです。
相手の方から「あなたにちょっと関心があるんだけど」と言ってもらえればいいのです。
相手からアクセスしてもらうには「素のわたし」を公開すること
友だちが「できる」、つまり相手に検索やアクセスをしてもらうためには、「絞り込みフィルター」を設定することが重要です。
「絞り込みフィルター」というのは、よくインターネット検索で検索結果が多すぎるときに「検索結果を絞り込む」ために、いくつかの条件を付け加えていく、あれです。
たとえば、近場で海が見える温泉宿を調べたいとします。
このとき、ただ単に「温泉」でグーグル検索すると2億2500万件もヒットしてしまい、わけがわからなくなります。
私が調べたいのは、あくまで「近場で海が見える温泉宿」なので、「温泉」に加えて、「宿」「東海地方」「海が見える」という検索語を付け加えて「絞り込み検索」をします。
結果は32万3000件まで絞り込まれました(まだ多すぎますが…)。
話を戻すと、私は全人類60億人の中に埋もれています。
地球のどこかで、誰かが「友だち候補」と検索したとき、そこには60億もの検索結果が表示されるのです。
私が「発見」され「アクセス」してもらえる確率は、限りなくゼロに近いです。
私が相手に「友だち候補」として「発見」してもらえるようになるには、相手が絞り込み検索をかけたときにヒットするような検索ワードを公開しておく必要があります。
つまり、私がどんな人間かということをオープンにしておくことが重要なのです。
どんな人間かというのは、私が何を好きで何を嫌いで、何をする人間で何をしない人間かというようなことです。
素のわたし、と言い換えてもいいでしょう。
たとえば、私は以下のような人間です。
〈私の好きなもの〉
ラーメン/カムジャ麺/サリ麺/スピッツ/将棋のネット観戦/藤井聡太七段/羽生善治竜王/深浦康市九段/香川愛生女流三段/山口恵梨子女流二段/藤田綾女流二段/その他何人かの棋士/藤井システム/エピフォンカジノ/テレキャスター/ガンダムMark-Ⅱ/Z系のガンダム/寝ること/タオルケット/旅行/フィンランド/フィンエアー/オープンダイアローグ/フィリピン/英会話/チャイナタウン/妻/娘/義妹/北海道/義父/前の妻/猫/団地/宇和島/運転/レンタカーを借りること/IKEA/ソファ/しろくま(アイス)/ウッドデッキ/菜園/海/森/空/野草/川/瞑想/等持院/おっぱい/緑色/洗濯/Flower&FlowersのTシャツ/新幹線/イングリッシュガーデン/モーニング娘。’18/牧野真莉愛さん/加賀楓さん/小田さくらさん/ANGERME/竹内朱莉さん/佐々木莉佳子さん/牧野真莉愛さんと加賀楓さんと佐々木莉佳子さんの関係性/おうち/焚き火/すっぽんぽんで寝ること/すっぽんぽんでベランダに出ること/柑橘類/宇和島のスーパーの魚売り場/語ること/デコルテ/アオザイ/赤ちゃん/芝生/フリーマーケット/骨董市/ロンドン/公設市場/鳥の柄の服/その他
〈私の苦手なもの〉
年上の日本人男性/サラリーマン/長ネギ/日本の学校教育/旧日本軍/戦争/人をいじるタイプのお笑い/ぬた/海にゴミを捨てる人を見ること/日本の電車内の雰囲気/日本型組織/台所のすえた臭い/政治/精神科病院/「絆」という表現/高齢の経営者/受験勉強/本州の夏の暑さ/飲み会/その他
このようなことを周囲に公開しておくと、例えば「友だち候補 深浦康市九段が好きな人 名古屋」という検索をしている人は、私を見つけやすくなります。
これが「絞り込みフィルター」です。
これをやると、「友だち候補 ぬた愛好家」で検索をしている人と出会うこともなくなります。
つまり、友だちになるべき人とのみ出会えるようになる一方で、友だちにならなくてよい(なれない)人が寄ってくることもなくなります。
(友だちを「作る」というスタンスでいると、後者の「友だちにならなくてよい人」とも出会ってしまい、「せっかく出会ったので」と無理して付き合おうとしてしまい、あとで苦しくなることがあります。「絞り込みフィルター」という考え方をすると、これを回避できるのです。)
まとめ/いくつかの条件
友だちは「素のわたし」、つまり自分という人間が何が好きで何が嫌いなのかを周囲に公開しておくことで、自然に「できる」もの。
ただし、ここにはいくつかの条件があります。
それは、自分をインターネットに接続しておく必要があるということです(「インターネット」というのは、もちろん「喩え」です)。
これは、自分を、人のいる場に「出して」おく必要がある、ということです。先ほどは「喩え」として用いましたが、もちろん、このときに文字通りインターネットを活用することもできます。
さらに、そのためには自分を人のいる場に「出せるように」しておく必要があります。
その方法としては、「自分が」人のいる場に出られるようになるというやり方と、「周囲や場の方に」私たちが出ていけるような人や場所になってもらう、という方法とがあります。
これらの点については、またあらためて続編を書きます。
今日も読んでいただいてありがとうございます。明日もうれしいこと楽しいこといっぱいあるといいですね!
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